登山靴
最も重要な装備の登山靴。登山靴と言っても多種多様ありますので選び方をステップ順に紹介します。

ステップ1
サイズ測定
登山靴に限らず靴を購入するためにスポーツ店などで試着することはあっても本格的なサイズ測定する人って少ないと思います。しかし、急勾配を登り下りする登山においてはしっかり測定して自分の足型を知ることは非常に重要です。自分で測定しても問題はありませんが、登山靴を沢山取り扱う「石井スポーツ」や「ヒマラヤ」、その他の運動靴を取り扱う「アシックス」では詳細に足型を測定してもらえるので、足を運んだ際には測定してみましょう。
測定しなくても目視でわかる足型として以下の型があります。
足型 | 特徴 |
エジプト型 | 親指が一番長い |
ギリシャ型 | 人差し指が一番長い |
ローマ型 | 親指と人差し指が同じくらいの長さ |
ドイツ型 | 親指が一番長く、その他の指が同じ長さ |
ケルト型 | 人差し指が一番長く、次に親指、中指が同じ長さ、薬指と小指が同じ長さ |
普段気にすることはありませんが、日本人はエジプト型が80%程度、ギリシャ型は20%と言われています。足型と登山靴とのマッチングもありますので、登山靴選びの情報として確認しておきましょう。
サイズ把握
サイズを測定すると自分の足の寸法等が細かく把握できますので、ショップなどで測定してもらった際はついでに自分がどんなタイプの登山靴が合うのか使用目的別に提案してもらいましょう。
足の長さ(足長)は把握していると思いますが、特に登山靴では足幅や足囲、甲の高さなども把握しておきましょう。
甲の高さはJIS規格などから足長に対して足囲の数値が大きい場合は甲高、小さければ甲薄と判断できます。
日本人であれば足囲は3E+が中央値となります。
日本人と欧米人の足長と足幅の比は以下のような違いがあります。
足型 | 長さと幅の比 | 足型の特徴(傾向) |
日本人 | 10:4 | 幅広甲薄 |
欧米人 | 10:3.5 | 幅狭甲高 |
さあ、サイズを把握したら登山靴を選んでいきましょう!
ステップ2
登山靴選び
登山靴を選ぶのは楽しいのですが、使用目的(用途)、メーカー、山行(日帰り、山小屋博、テント泊)、季節によっても変わりますので迷ってしまった場合は、測定したサイズから適した登山靴を絞り込むことができます。
用途別登山靴一覧
足首の高さ | 用途/山行 | ソールの硬さ | 重量物対応 | |
ハイカット | アルパイン | 雪山登山 | 非常に硬い | ◎ |
ライトアルパイン | 春秋の縦走〜残雪期 | 硬い | ◎ | |
トレッキング | テント泊縦走 | ○ | ||
ミドルカット | ライトトレッキング | 日帰り〜小屋泊 | 普通 | △ |
ローカット | ハイキング | 低山ハイキング | 柔らかい | × |
選び方としては、山行にあった登山靴を選んでおけば殆どのモデルが「足首の高さ」、「ソールの硬さ」、「重量物」に対応しています。
ただし、雪山用は春秋用には適していないので、雪山に登る場合は別途雪山用登山靴の準備が必要です。
それと足首の高さが高くなるほど足首のホールド性が高くなって捻挫のリスクが低減しますが、逆を言えば足首の可動が制限されて歩きにくくなります。
歩きにくくなることを嫌ってローカットでテント泊などをこなす健脚な人もいますので、一覧はあくまで一般的な考え方となります。
因みに筆者は足首が弱い(緩い)のでミドルカット以上でないとすぐに捻挫してしまいます…。
捻挫してしまうと遭難のリスクが高まりますので筆者はミドルカット以上の登山靴をオススメします。

メーカーによってどの足型に合わせているのか異なるので、自分の足型がどのメーカーに合うのか確認しましょう。
日本人向けであれば、有名なのが「モンベル」や「シリオ」などですが、日本人でも筆者のように足型がギリシャ型になると欧米人向けの登山靴を選んだ方が近道になりやすいです。
また、実は足型だけではなくて、登山靴はメーカーが使用するロケーション(山の種類)に合わせた構造にしているので、そもそも選んだ登山靴が設計されたロケーションには合っていないことも多いです。
具体的には日本であれば多くの山が森林帯ですが、この森林帯に岩稜帯に適した登山靴では適当とは言えませんし、逆に岩稜帯に森林帯に適した登山靴では滑落のリスクが高まりますので、ロケーションに合わせた靴選びも重要です。
登りだけなら足長と同じ登山靴でも問題ありませんが、下りでは一番長い指(爪)に連続して体重が掛かり続けることになりますので、最悪は激痛で歩けなくなるリスクがあります。
足長に対してどのくらいの余裕が適当かは明言できませんが、筆者は10mmは確保しています。しかも左右で5mmの差がありますので、大きい方の足に合わせています。
ただし、幅狭の足型の人が幅広の登山靴を選んでしまった場合は、足長に余裕があっても下りでずれてしまって指に当たってしまいますので、足長の余裕は足型が合っていることが前提になります。
ステップ3
試し履き
足型や寸法に合わせた靴選びも重要ですが、最終的には試し履きして当たる所がないか、違和感がないかなど自分にフィットしているかを店舗内を歩き回ったり、試し履き用の坂道を登り下りしてみたり、じっくり確認することが最も重要だったりします。靴にも個体差がありますが、メーカーやモデルによる違いはとても大きいので試し履きだけは妥協してはいけないところです。
ただ、残念なのは試し履きでも長距離や生きた道を歩けないので、実際に登山で使用してみないとトラブルが見抜けないところです。
結局どこの登山靴が良いのか?

日本人の足型ならやっぱりモンベルが安価でサポートもしっかりしてるので拘りがなければオススメです🥾
シリオも試着ではフィーリングが良かったですが、登山では履いたことがないのでレビューできていません。



筆者の足型だとLA SPORTIVAが合うので試着しましたが、思った通りにフィット感が良かったので、岩稜帯が多い山用に欲しいです🥾